森と港をつなぐ、ものづくり基地
神戸の六甲山から採れる資源を最大限に活用するために、原木から製材、商品化まで一貫してトータルで考慮したデザインのプロダクトを生み出しています。
ローカルの資源(六甲山材)をローカルのポテンシャル(インフラと人材)で解決するために、神戸の港町に存在していた造船工房「マルナカ工作所」跡地を再利用し、「MAR_U(マル)」と 名付け、若手クリエイター3人でデザイン及び木工に取り組んでいるクリエイティブチームです。
木材に優劣はなく「木を見て」デザインやものづくりを考えていくスタンスを地域のクリエイターたちが考えていく文化を築きあげることで地域材のブランドを向上させ、その地域で活動するクリエイターのブランド力も向上させていく拠点となるよう「MAR_U」のブランドを創り上げていきます。
森と港、人を未来へつなぐ。
「マルナカ工作所」が面している海辺は、平安時代、平清盛に修築された大輪田の泊(おおわだのとまり)として知られ、日宋貿易で栄えた港でした。後に兵庫津(ひょうごのつ)と呼ばれ、兵庫城が建てられました。兵庫県という県名は、この兵庫城跡に初代兵庫県庁が設置されたことに由来しています。
1868年、神戸港が開港。ジャズ、映画の興行、テーラー、靴の製造、ゴルフ、サッカー、コーヒー、洋菓子をはじめ、家具など西洋の木工技術が持ち込まれ、兵庫津に建設された兵庫運河の周辺には「マルナカ工作所」をはじめとする船工房や西洋家具工房が数多く存在しました。
神戸家具は、船をつくる技術を持った職人たちが外国人によって持ち込まれた家具や船の調度品を見よう見まねで制作したり、不用になった家具を道具商が買い取って修理・販売したのが始まりだと言われています。その後、時代の変化と共に職人の高齢化が進み、船工房や西洋家具工房も次々に閉鎖されました。
それから約100年たった今、森と港を結んで神戸の歴史ある遺産を見つめ直し、歴史や文化を絶やすことなく引き継ぎ、残していく必要があると考えた私たち。そんな歴史を持つ場所に位置する船大工工房「マルナカ工作所」の中田氏の引退を期に、この場を「MAR_U」として新しいものづくりの拠点へと船出をしました。
「MAR_U」が位置する神戸市兵庫区の南部エリアは歴史ある地域でありながら、未だあまり知られていません。この数年で木材関連の仕事がまた減少した一方、こだわりを持つショップやスポットが新たに登場しています。
我々が目指したいのは、「MAR_U」界隈が製材や加工、ストック、設計、デザインに至るまで木に関わるすべてを担えるクラフトコミュニティとして、いきいきと機能すること。木を愛してやまない方、趣味を仕事にしたい方もぜひ「MAR_U」を含む兵庫津のクラフトコミュニティを舞台に、大いに活躍してください。